"蒼き狼"井上靖 著
「東方見聞録」に触発されて「元朝秘史」を。その余韻に浸っていると、いつの間にか小説版を手に取っている。「東方見聞録」がモンゴル帝国の支配を贔屓目に伝えているのは、マルコ・ポーロがクビライ・カンに厚遇されたこともあろう。チンギス・カンの一代記として名高い「元朝秘史」もまた、英雄伝にありがちがな正義の征服物語といった性格を覗かせる。双方とも主観の濃い歴史書という印象を拭えないが、そもそも歴史とは、解釈で...
View Article"無罪と無実の間" Jeffrey H. Archer 著
仕事が手につかず、気分転換に本棚を整理していると、埃をかぶった数冊が目に入る。ジェフリー・アーチャー...「ケインとアベル」が話題になったのは、三十年くらい前であろうか。どんでん返しの結末に魅せられ、十作品ほど読み漁った記憶がかすかに甦る。酔いどれ天の邪鬼は、昔から惚れっぽいのだ。引っ越し貧乏だったので、その都度、処分してきたはずだが、目の前に現れたのはまさに奇跡!いや運命に違いない!ただ、一番印象...
View Article"めざせダウニング街10番地" Jeffrey H. Archer 著
本棚の奥底から埃をかぶった書の群れが出土された。引っ越し貧乏だったので、その都度、処分してきたはずだが。「ケインとアベル」に魅せられ、ジェフリー・アーチャー狂になったことだけは、かすかに覚えているものの、内容となるとまるで覚えなく。まさか学生時代に読んだ本で、もう一度、幸せにあやかろうとは......
View Article"ロシア皇帝の密約" Jeffrey H. Archer 著
本棚の奥底から出土された考古学的発見から、さらにもう一冊。読んだ記憶がまったくないということが、いかに幸せであるか!なんでも新鮮に感じられることこそ、アル中ハイマー病患者の真骨頂!それは、学生時代から進歩がない証でもある...この物語は、「ケインとアベル」や「めざせダウニング街10番地」といった財界や政界のサクセスストーリーから一転し、むしろ処女作「百万ドルをとり返せ!」に近い冒険活劇。平凡な一市民...
View ArticleWUuu... 十字架バージョンよ、記念日の呪いは解けたか?
WUuu.... (Windows Update の略: うぅぅ... と唸りながら発声する。)Anniversary Update よ、お前もか!こいつにしばらく呪われ、記事「Win 10 にアップして、あっぷっぷ!... そして半年後」のコメント欄に愚痴ってきた。累積的な更新プログラム KB3194496 と KB3197356 で立て続けに呪われ、KB3194798...
View Article"私の好きな曲"吉田秀和 著
古本屋を散歩していると、音楽を文章で魅了する書に出くわした。四、五ページも読み進めると、こんな文面に出くわす...「あの第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンがリレーしながら奏する旋律をもって出発した主題の上に、つぎつぎと書き加えられてゆく変奏。どれもが全くちがった性格を与えられていて、しかもいずれ劣らず、微妙と力強さの破綻のない均衡の上で、よく歌い、よく流れてきた上で、そのクライマックスとして、アダー...
View Article"世界の指揮者"吉田秀和 著
「音楽についてというのでなく、演奏と演奏家について書くということが、とかく、やりきれないほど皮相的で、あわれなことになりやすいのも、その理由は、演奏の本質によるというより、むしろ人間の心の深いところに潜在しているのであろう。」「私の好きな曲」(前記事)の文章に魅せられ、吉田秀和氏をもう一冊。ここには、演奏史上に輝く名指揮者たちが紹介される。十九世紀後半から二十世紀にかけて、ちょうど二つの大戦をまたい...
View Article婆(ばぁ)カーに王冠を...
老人に運転免許の自主返納を促すのは難しい。ちょっとボケが入ってくるとヤバい。うちの婆ちゃんは八十近いが、しっかりアクセルを踏んでスピードに乗れるし、まだまだ乗る気十分って感じ。活動的なクソババアなだけに厄介だ!そして、どう切り出そうかと思案していたところ、向こうから... そろそろやめようかなぁ......
View Article"サイバネティックスはいかにして生まれたか" Norbert Wiener 著
"Cybernetics"という言葉に出会ったのは、三十年ぐらい前であろうか。通信工学や制御工学を学べば、どこかで見かけるだろう。今日では仮想社会と結びついて、Cyber...
View Article"地球の歴史を読みとく - ライエル「地質学原理」抄訳"大久保雅弘 著
学ぼうとすれば誰にでも、入門の段階で古典の恩恵にあずかった経験があろう。後継者は、大なり小なり先人たちの遺産を学ぶ機会が与えられる。地質学の場合は、チャールズ・ライエルであろうか...原題 "Principles of...
View Article"自然界の秘められたデザイン - 雪の結晶はなぜ六角形なのか?" Ian Stewart 著
原題に、"What Shape is a Snow Flake? : Magic Numbers in...
View Article十周年企画... 名言集(技術、マネジメント編)
引き続きブログ開設十周年企画、すなわち、手抜き記事「技術、マネジメント編」を。新年早々、コピペ時代を謳歌する...自己をマネジメントすることは難しい。備忘録を蓄積したところで記憶力がついていけない。そして、楽をしながら金儲けをしようと目論む。そのために情報収集に努め、知識を得、生き方を工夫するとは、なんとも奇妙である。怠惰を求めて、勤勉に辿りつくという寸法よ。サミュエル・ジョンソンは、うまいことを言...
View Article十周年企画... 名言集(建築、美術、音楽編)
引き続きブログ開設十周年企画、すなわち、手抜き記事「建築、美術、音楽編」を。新年早々、コピペ時代を謳歌する...人の一生とは狂言のようなもの。猿の仮面をかぶれば猿に、武士の仮面をかぶれば武士に、エリートの仮面をかぶればエリートに、サラリーマンの仮面をかぶればサラリーマンになりきる。あとは、幸運であれば素直に波に乗り、不運であれば生きる糧とし、いかに達者を演じきるか。同じ阿呆なら踊らにゃ損々...しか...
View Article十周年企画... 名言集(歴史、哲学、文学、言語学編)
引き続きブログ開設十周年企画、すなわち、手抜き記事「歴史、哲学、文学、言語学編」を。新年早々、コピペ時代を謳歌する...人間の本性は、悟性のうちに確固不動なるものを求める。身体と精神は、共に運動する存在でありながら、魂は安住、安定を求めてやまない。相対的な認識能力しか発揮できない知的生命体は、絶対静止なるものを知らない。それゆえ静止に焦がれるのか。しかしながら、身体にとっての静止とは、死を意味する。...
View Article十周年企画... 名言集(社会、政治、経済編)
引き続きブログ開設十周年企画、すなわち、手抜き記事「社会、政治、経済編」を。新年早々、コピペ時代を謳歌する...正義!理性!......
View Article"ケプラー予想 - 四百年の難問が解けるまで" George G. Szpiro 著
ヨハネス・ケプラーは、こんなことを主張した。「同一の球を最も効率よく三次元空間に詰め込む方法は、オレンジの積み方と同じである。」そんなことは大科学者に言われなくても、八百屋のオヤジが店でやっているし、小学生でも知っている。しかしながら、この単純な命題を証明するのに、実に四百年もの歳月を要した。しかも、答えを提供したのはコンピュータである。では、証明したとされる天才数学者トマス・ヘールズは何をやったの...
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