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Channel: アル中ハイマーの独り言
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"シンメトリー" Hermann Weyl 著

小雨じめつく中、なんとも虚ろな気分で古本屋を散歩していると、数学を文学のように嗜める書に出会う。こいつぁ... 群論の入門書ではないか!いや、そこそこかじって余韻に浸る書であろうか。厳密な数学を空虚な気分で眺めると文学になるのか... ここに抽象化の真の意味が暗示されていそうな......

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"空間・時間・物質(上/下)" Hermann Weyl 著

ヘルマン・ワイルの著作「シンメトリー」(前記事)で詩的な数学に触れながら、厳密な理解を要請してくる、この大著を読破するのに一ヶ月を費やしたものの、消化不良感に満ち満ちてやがる。しかしながら、難解な書に触れる喜びというものがある。なにもかも分かりやすさに流される現代社会にあって、この天の邪鬼な性癖ときたら難解なものにこそ癒やされる。我武者羅に噛み付いているうちに、なんとなく理解した気分になれることだっ...

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ジョークの言える日に、真面目にファルス論でも...

「嘘というものがなければ、人間は絶望と退屈で死んでしまうであろう。」......

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"科學の言葉 = 數" Tobias Dantzig 著

小雨降りしきる中、しとしとぴっちゃん気分で古本屋を散歩していると、なにやらノスタルジックな奴に出会った。琥珀色に染まった紙面が風格を漂わせ、そればかりか、書き込みがあちこちにあって元持ち主の情熱までも伝わってきそうな...初版、昭和二十年(1945年)... 改訂第二版、昭和三十二年(1957年)......

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"リバースエンジニアリング" Justin Seitz 著

プログラムを書くのは楽しい。プログラマ35歳定年説が囁かれる中、いくつになっても楽しい。おいらはプログラマではない。でも楽しい...二十年以上前、組込系 OS を五年間ほど書いていた時期もあるにはあるが、あくまでもハードウェア設計者。当時、リアルタイム処理ではアセンブラ言語が主流だった。C コンパイラの性能がいまいちで、移行にはまだまだ感の残る時代である。とはいえ、CPU...

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"DEBUG HACKS"吉岡弘隆/大和一洋/大岩尚宏/安部東洋/吉田俊輔 著

コンピュータ業界の格言に「プログラムは思った通りではなく、書いた通りに動く。」というのがある。そして、「思った通り = 書いた通り」を定式化するのは自分自身!何事も思い通りになった時の快感ときたら......

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"Python によるデータ分析入門" Wes McKinney 著

この酔いどれ天の邪鬼は、Ruby 信奉者である。いや、だった。それも仕事場ではなかなか受け入れてくれない。Ruby はもう死んだのか?やら、Rubyはまだ死んでいない!やらといった記事も見かけるけど...近年、大人気と評判の Python なら受け入れられるようになったので使うようになったが、あくまでもスクリプト言語としての位置付けであって、まだまだ、Ruby...

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"ペレス量子論の概念と手法" Asher Peres 著

ある大学の先生から、量子力学を勉強する下地に... と薦められた一冊。テクニオン -...

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"ハインリッヒ・ヘルツ" Michael Eckert 著

今日の情報社会において、馴染み深い物理量の単位といえば、空間の概念と結びつく bit や、時間の概念と結びつく Hz といったところであろう。物理層における通信プロトコルでは二進対数に重要な意味を与え、これらを単位とした帯域幅やスペクトル効率などが論じられる。言うまでもなく、Hz...

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"グーグルに学ぶディープラーニング"日経ビッグデータ 編

脳を模倣する計算機アルゴリズムの研究は、古くからある。1950年頃には、サイバネティックスという概念を提唱したノーバート・ウィーナーが「人間機械論」を書し、ノイマン型と呼ばれるコンピュータの基本原理を考案したフォン・ノイマンは「自己増殖オートマトンの理論」を提示した。「人工知能」や「ニューラルネットワーク」という用語も登場して久しい。そういえば、おいらの学生時代、ゼミの研究テーマに人工知能言語として...

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"解析入門30講"志賀浩二 著

数学の落ちこぼれを癒やしてくれる数学の書とは、こういうものをいうのであろうか。「数学30講シリーズ」は、群論に続いて二冊目。群論という巨大な要塞も三十にも分解しちまうと、軽やかな調べのように流れていく...ここでは、微分と積分にまつわる物語。この二本を柱とする解析学の世界に一歩足を踏み入れると、底しれぬ数学の深海へ引き摺り込まれる。測度論、直交関数論、ポテンシャル論、変分法、調和解析......

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"美術という見世物 - 油絵茶屋の時代"木下直之 著

現代感覚から外れ、価値観体系からも外れ、世間から置き去りにされつつも、今尚ここに存在し、何事かとつぶやき続ける人たちがいる。文壇にも、ネット社会にも、オワコンと揶揄される域に...古典の中にも、何千年も生き長らえるコンテンツが数多ある。どこにいてもコメントの嵐が吹き荒れる社会にあっては、こうした物静かに語ってくれるものに癒やされる。もはや、どちらが揶揄されているのやら...木下直之氏は「近代」という...

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"戦争という見世物 - 日清戦争祝捷大会潜入記"木下直之 著

「美術という見世物」(前記事)の続編、浅草の油絵茶屋から上野公園の日清戦争祝捷大会へ所を移し...油絵茶屋の時代では、西洋かぶれしてゆく専門家や評論家を皮肉り、画一的な評価基準の下で埋もれていった職人たちの技術を掘り起こしてくれた。ここでは、なにもかもが戦争に彩られていく熱狂ぶりを見物させてくれる。平成の時代を生きる美術史家が、明治時代の写真画報を眺めながら歴史を回想していると、いつのまにか居眠りを...

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"現象学と人間性の危機" E. Husserl & A. Tymieniecka 著

「現象学」といっても、捉え方は様々。それだけ抽象度が高いということだろう。哲学用語とは、そうしたもの。真理ってやつには、様々な解釈を与える余地がある。真理ってやつには、いつまでも自由でいて欲しい。そもそも、真理なんてものが本当に存在するかも知らんし、人間が退屈病を紛らわせるために編み出した概念やもしれん...この用語を文字通りに捉えれば、見たまんまといった皮相的な見解に陥り、物事の本質を捉えるという...

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"超越論的方法論の理念 第六デカルト的省察" E. Husserl & E. Fink 著

哲学の書に触れれば、「超越論」という用語を見かける。認識論に発する語のようだ。哲学とは、認識論の構築にほかならず、認識論なくして哲学は成り立たない。カントは、如何にして先天的な認識が可能であるかを問い、認識能力の果てにアプリオリという概念を見い出した。時間と空間の二つだけが、これに属す真に純粋な認識としたのである。それは、自己存在と直結するもので、その原因を追求しようものなら人間の能力を超越すること...

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"劇画 ヒットラー"水木しげる 著

おいらが漫画に目覚めたのは大学時代。定食屋に行けば、誰もが漫画で時間をつぶし、おいらだけが手持ち無沙汰ときた。絵と文字が一体となったハイブリッド構造に、どうもついていけない。しかも、友人たちは五分もあれば、一冊を読み切ってしまう。大人どもの間では、先進国で漫画を文化とするのは日本ぐらいなものだ... 子供の教育に悪い......

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"「ガロ」掲載作品 水木しげる漫画大全集"水木しげる 著

巨匠水木しげるの作品と言えば、「ゲゲゲの鬼太郎」や「河童の三平」や「悪魔くん」ということになろうが、おいらは読んだことがない。テレビでも見たことがない。巷の評判で、タイトルを耳にするぐらいなもの。この漫画家に興味を持ったのは、朝ドラ「げげげの女房」を観てからである。朝ドラにしても、こんなものに夢中になる母親たちを馬鹿にしてきた。15分ずつ小出しするようなものの、どこが面白いのか?と...ところがある...

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"「いき」の構造 他二篇"九鬼周造 著

粋(いき)な言葉をかけられると、なんとなくニヤけたり、なんとなく癒やされたり、なんとなくやる気が出たりする。粋な計らい、粋なルックス、粋なしぐさ... こうしたものが人生にアクセントを与えてくれる。然らば、粋に生きたいものである。理性屋どもの憤慨とは真逆なちょいワル感を漂わせ......

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"贈与論 他二篇" Marcel Mauss 著

プレゼント... それは美しい心の表れであろうか。贈り物を頂くと、お返しをせねば... という気持ちにもなる。より良いものを、とばかりに。そして、お返しの、お返しの... 無限ループ。これがお付き合いというものか。それが世間体というものか。これからもよろしくお願いします!とな......

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"変身・断食芸人" Franz Kafka 著

小雨降りしきる中、虚ろな気分で古本屋を散歩していると、なんとも異様な文面で始まる物語に出逢った。「ある朝、なにやら胸騒ぐ夢がつづいて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がづいた...」カフカの小説に触れるのは、これが初めて。初体験ってやつは、なんであれゾクゾクさせるものがある。主人公がどんな夢を見ていたのかは知らん。おぞましい姿に変身する夢でも見ていたのか。そして...

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