"知の考古学" Michel Foucault 著
能動的に読める時はすらすら頭の中に入ってくるのに、受け身で読まされる時はなかなか頭の中に入ってこない。何度も同じ行を目で追い、単語に振り回される感じ。フーコーの文章はフランス人の間でも難解とされるようで、どうやら翻訳のリズムが合わないだけではなさそうである。おかげで、もう一冊!もう一冊!と悪い病を患う。知を究めるには、精神の破綻を覚悟せよ!とでもいうのか?......
View Article新相棒、その名は... Gブロンコっち!
グレンリベットを開けたのが朝日の眩しい時分であろうか。そして、ボトルを空けた頃、夕日が眩しいぜ!シングルモルトの香ばしい色合いが、新たな相棒と妙に合う。歓迎するかのように... ・G-BRONCOアタッシュケース = ¥16,800 (amazon経由) # ポリカーボネート材, A4サイズ(36cm),...
View Articleavast! 2014 にアップして... あっぷあっぷ!
惚れっぽい上に忘れっぽい酔っ払いなので、ちょいとメモっておこう...avast 25周年ということで、先日、avast! 2014.9.0.2006...
View Article"言葉と物" Michel Foucault 著
またもや悪い癖が... 難解な書き手を前にすると、ついムキになってしまう。怖いもの見たさというやつか。我武者羅に読んでいるうちに、文章のリズムがあってくることもあるのだが......
View Article"言語表現の秩序" Michel Foucault 著
分かりやすい書は目の前を通り過ぎて行きやすい。そこに疑問を感じなければ、思考する機会も訪れない。その点、難解な書は思考の材料にうってつけか。だからといって、理解できると期待してはいけない。目は文章を追うものの、頭は別のことを思い浮かべ、幽体離脱したような気分にさせやがる。絵画を鑑賞するようにページを眺め、数十ページ単位で後戻りすることもしばしば。少し目を離し、遠近法のような立体的な観点を要請してくる...
View Article"人間知性論(全4冊)" John Locke 著
「壮年にして世を去った亡友加藤卯一郎君が健全であれば、必ず全訳を企てたであろうと、亡き友人を偲びながら筆を取った。」前記事の「人間悟性論」は加藤卯一郎氏の部分訳版で、この「人間知性論」は大槻春彦氏の全訳版である。加藤氏によると、ジョン・ロックは「悟性論」の執筆に20年を要し、時々思い出しては書いたために、重複箇所が多いことを認めているという。多忙で怠惰のために整理しきれなかった、と後世語ったとか。そ...
View Article"罪と罰(上/下)"フョードル・ドストエフスキー 著
学生時代に読んだ、多分。だが、本棚には痕跡が見当たらない。古本屋にでも出したのだろう。引越しで最もかさばる荷物が書籍、おいらは引越し貧乏だった。一度読んだ本を読み返すなんて考えもしなかった。今から思えば、惜しいことを...当時は推理小説ばかり読み漁り、その延長上に位置づけていたような気がする。ストーリーは極めて単純!正義のために犯した殺人が、自我の良心に押しつぶされていき、ついに自首するという物語。...
View Article"なぜGMは転落したのか" Roger Lowenstein 著
世界一の自動車メーカとして君臨し、アメリカの象徴となったゼネラルモーターズ。会長チャーリー・ウィルソンが国務長官に任命された時、議会で発言したあの言葉が蘇る。「我が国にとって良いことは、GMにとっても良いことであり、その逆もまたしかり。」ところが、2009年、GMはチャプターイレブン(連邦倒産法第11章)の適用を申請する。その凋落ぶりの最大の原因は、利益を喰い潰す企業年金にあったという。しかも、この...
View Article"イワン・イリッチの死"レフ・トルストイ 著
ウォッカ級の長編大作が続くと、純米酒のごときシンプルな物語を欲する。しかし、濃厚さはスピリタス級か!なにしろ死神を相手取るのだから...トルストイに触れるのは、二十年振りぐらいになろうか。帝政ロシア時代にあって、ロシア正教会と国家権力の癒着や民衆圧迫の政策を批判し、国家から危険人物と目された。だが、あくまでも非暴力主義を唱え、その活動はトルストイ運動として知られる。学生時代というのは、自由に焦がれ、...
View Article"忘れられた日本人"宮本常一 著
民俗学者宮本常一は、その方面の第一人者柳田國男が提唱した「方言周圏論」に対して、控えめながらも、東西日本における文化の相違を指摘したそうな。酔っ払った反社会分子は、こういう挿話に弱い!江戸時代から日本の中心は東京であり、学者も芸術家も東京を目指し、民俗風習の観察さえも東京人を中心になされてきた。しかし、文化や民族における画一的なモノの見方は、本質を見失う恐れがある。情報化社会とされる現代ですら、ステ...
View Article"日本文化の形成"宮本常一 著
前記事「忘れらた日本人」に触発されて、民俗学の視点から日本文化の源流を眺めたくなる。ただ、飛鳥時代から縄文時代まで遡ってしまうと、歴史というより考古学に近く、いまいち興味が持てないでいた。古代の移動技術を想像しても、つい陸路を中心に考えがちで、地理的な位置からしても、大陸からの一方的な影響が強いと思い込んでしまう。しかし、古代人たちの航海能力は馬鹿にできない。飢饉や凶作が頻繁に起こり、一族の存亡に直...
View Article"塩の道"宮本常一 著
「世間師」という言葉があると聞く。旅をして広く見聞し、世間のことを良く知っているというだけでなく広く見識を持ち、事ある時に相談相手になるような人物を言うそうな。民俗学者宮本常一とは、まさにそういう人物らしい。実際に地方を歩きまわり、百姓の視線から良き相談役となり、農業経営や技術指導にも多くの時間を割いたという。その思想は、柳田国男の影響を強く受けながらも、それ以上に渋沢敬三の影響を受けているという。...
View Article"日本語と日本思想"浅利誠 著
思考する上で言語の役割は大きい。精神の内に生じた何かを具象化できる道具なのだから。しかしながら、言語ってやつは、日頃から馴染んでいるだけに空気のような存在で、その正体を知ることは想像以上に手強い。柄谷行人氏は、うまいことを言っている。「文法は言語の規則とみなされている。だが、日本語をしゃべっている者がその文法を知っているだろうか。そもそも文法は、外国語や古典言語を学ぶための方法として見出されたもので...
View Article友に捧ぐ
ヤツは、生きようとしていた。忌々しい病に憑かれながらも...癌は進化する生命体にとって、必然的な病だとする研究結果もある。こいつが何よりも厄介なのは、精神の内側から蝕んでいくことだ。寒々しい現実が、生きる意欲、戦う意志......
View Article存在屋と破滅屋
物体の存在を強烈に印象づける物理量に、質量ってヤツがある。地上では重さと呼ばれ、女性の忌み嫌う現象とされる。おそらく、人類が意識というもの持った時点から、重力なるものの存在をなんとなく感じてきたことだろう。体調の悪い日には体が重いと感じ、体力が消耗すれば手足が重いと感じる。ガリレオは、著書「天文対話」の中で慣性の法則らしきものを語っいる。だが、いまいち自信がなさそうで、質量についても、おぼろげな認識...
View Article"自省録"マルクス・アウレーリウス 著
プラトンは、著作「国家」の中で、哲学者の手に政治を委ねることを理想とした。その理想が、歴史上ただ一度実現した例があるという。第16代ローマ皇帝マルクス・アウレーリウスは、多忙な政務を果たしながらも自問自答に耽り、自省自戒の備忘録を残した。この書には、構成らしい構成がない。いちおう12章に分けられるものの、その都度、思いついてはメモったのだろう。言葉が立派だから政治家としても立派だった、とは言い切れな...
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